仮想通貨はギャンブル性が高いと言われます。しかし、それは仕組みを知らない人がイメージだけで語っていることが多いのが実情です。
そこで、仮想通貨がギャンブルと言われる具体的な理由を考察しました。代表的なギャンブルを例に出し、仮想通貨との違いも具体的に比較してみました。
仮想通貨の運用結果はギャンブルのような勝率になるのでしょうか。ぜひ参考にしてみてください。
仮想通貨ってギャンブルみたいなものじゃないの?
たしかに危険なところもあるし、そういうイメージを持たれることも多いね
でも、正しい戦略が分かればギャンブルにはならないよ
- 仮想通貨がギャンブルだと言われる理由
- 仮想通貨とギャンブルの根本的な違い
- 仮想通貨を堅実な投資にするために知っておくべきこと
仮想通貨(ビットコイン)がギャンブルと言われる理由
仮想通貨はギャンブルと同じ。このような意見を耳にしたことはありませんか?
ビットコインを始めとする仮想通貨がギャンブルと評される理由を深掘りしていきます。
ボラティリティ(価格の変動率)が高い
まず大きな理由の1つとして、ボラティリティの高さが挙げられます。
ボラティリティとは価格の変動率のことです。ボラティリティが高いほど短期間に価格が急上昇したり、逆に価格が急降下したりする可能性があります。
つまり、ギャンブルと同様に短期間で大きな利益が得られるかもしれません。しかし、これは本来の投資、つまり長期的な資産形成からはかけ離れた要素であり、ギャンブル的な性質が強いといえます。
時価総額上位でメジャーなビットコインなどの仮想通貨は昔に比べボラティリティが抑えられてきています。とはいえ、上場株式や債権といった伝統的な金融資産と比べると、その値動きは不安定と言わざるを得ません。
ボラティリティが高いほどハイリスク・ハイリターンな資産です。これはギャンブルのように一夜にして大金が手に入ることを連想させる理由の1つですね。
多数の草コインが乱立している
ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨と比べて市場規模が小さいものを草コインと呼びます。仮想通貨は2万種類以上あると言われており、大多数は草コインに分類されます。
市場規模の小さい草コインは、ひとたび大口の買い手がつくと需給バランスがくずれて一気に価格が高騰することがあります。わずか数日で数百倍~数万倍に上がることも。
しかし、多くの草コインはその価値や将来性が不明確であり投資には大きなリスクを伴います。実際ほとんどがゴミのようなものだったり、中には詐欺的なプロジェクトも潜んでいたりします。
そんな中から暴騰するごく一部の草コインを引き当てることは、まさしく宝くじを当てることに似ていますね。一攫千金を狙えるのが草コインのメリットです。
すべての草コインがギャンブルではなく、革新的な技術や有望なビジネスモデルに裏付けされたものもあります。
ただし、情報の信ぴょう性を見極めることや情報をつかみ取ることの難易度を考えると、多くの人にとってはギャンブルと大差ないかもしれません。
仮想通貨の仕組みが知られていない
仮想通貨が生まれた背景や仕組みが知られていないことも大きな要因です。
これを理解していなければ仮想通貨に投資することのリスクを正しく評価できず、賢明な投資判断を下すことはできません。ルールを理解していないとただの運任せになってしまいます。
ビットコインや仮想通貨という言葉を聞いたことはあっても、その中身を知る人はまだ少ないのが現状です。
ゆえに、仮想通貨で利益を得たと聞いても、何か怪しいものに投資して一山当てたという認識になります。多くの人にとってはギャンブルで勝ったのと大差ありません。
しかし、価値のないゴミのような多数の草コインや怪しいプロジェクトが仮想通貨の認知向上を妨げているのも事実です。
日本はWeb3.0を成長戦略にかかげており、Web3.0と切り離せない仮想通貨もさらなる環境整備が進められる見込みです。さらに多くの人々が市場参加できるように早急な法整備が期待されますね。
テレビとか新聞の仮想通貨関連ニュースってネガティブなものばっかなんだよな
インパクトある話題のほうが視聴者の反応がいいもんね
そもそもギャンブルとは何か?
仮想通貨とギャンブルを比較するにあたり、そもそもギャンブルとは何を指すのか深掘りします。皆さんの認識はどうですか?
ギャンブルの定義
ギャンブルの定義についてググったところ、以下の説明がされていました。
賭け事。ばくち。また、偶然や運に頼る危険な試み。
コトバンク(https://kotobank.jp/word/ギャンブル-51910)
「偶然や運に頼る危険な試み」から分かるように、リスクが大きいほどギャンブルと言えそうですね。儲かるかどうかは偶然性に依存し、勝ち負けが神頼みになればそれはもうギャンブルです。
ちなみに、同じ意味合いで使われる博打(ばくち)は以下のとおりです。
賽さい・花札・トランプなどを用い、金品をかけて勝負を争うこと。
コトバンク(https://kotobank.jp/word/博打-600356)
投資とギャンブルの違い
投資はギャンブルと区別されますが、投資は資産価値に注目してお金を出すものです。
たとえば、株式投資はその会社の将来性や生産性に期待して株式を買い取り、予想どおり会社が実績を出せればリターンが得られます。将来に投資しているため中長期的にみていく必要があり短期間では利益を得られません。
判断材料になる情報や投資先の選択肢が多いことが投資のメリットです。デメリットは時間がかかることですね。
投資と並んで耳にする言葉に投機がありますが、投機は価格変動に着目してお金を動かします。
短期的な相場の値動きから利益を狙うため、投資と比べ時間はかからないもののハイリスクな傾向にあります。投資よりも投機の方がギャンブルに近いと言えます。
代表的なギャンブルの還元率
代表的なギャンブルの還元率を紹介します。還元率とは賭けた金額に対して払い戻しされる割合のことです。
前提として、これらのギャンブルには主催者(胴元)が存在します。
まず、参加者から集めたお金から主催者の儲けや運営に必要な費用を徴収します。そして残りを参加者全員で取り合っているイメージです。
全体として払い戻される金額は、実際に賭けられた合計金額よりも少ないことが初めから決まっています。
ギャンブルの種類 | 還元率 |
---|---|
オンラインカジノ | 93~98% |
パチンコ・パチスロ | 80~85% |
競馬 | 70~80% |
ボートレース(競艇) | 75% |
競輪 | 75% |
オートレース | 70% |
スポーツくじ | 50% |
宝くじ | 46% |
たとえば、還元率70~80%の競馬に1万円賭けたら7千~8千円は戻ってくるという統計上の計算になります。
宝くじに至っては46%なので、半分以上は主催者に持っていかれます。
ギャンブルの中には勝率を上げるための戦略も存在します。しかし、その仕組み上、共通して参加者にとって割の悪い賭けになっています。
各ギャンブルごとにその道のプロって言われる人たちがいるとして、その人たちも数%持っていくと考えると…
公表されている還元率よりもさらに下がると考えた方がいいな
仮想通貨と代表的なギャンブルの違い
実際に仮想通貨とギャンブルを具体的に比べ、その違いを解説します。
主催者(胴元)の有無
先の説明のとおり、ギャンブルには主催者(胴元)が存在します。
主催者の運営費や儲け分が差し引かれるため、参加者側に還元されるお金は賭けた額よりも少なくなる仕組みでしたね。このため、基本的にはギャンブルに参加すればするほど損をします。
これは参加者の収支合計がマイナスになる「マイナスサムゲーム」だからです。
対して、仮想通貨に主催者は存在しません。仮想通貨は直接売買されるため、売る人と買う人の収支合計はプラスマイナスゼロになります。これは「ゼロサムゲーム」と言われます。
ただし、売る人と買う人をマッチングする取引所は存在するため、手数料分がマイナスになる可能性もあります。手数料がかからない方法(板取引)で売買することが前提の考え方です。
さらに、中長期でみて仮想通貨自体の価値が上がっていけば、売った人と買った人の収支合計はプラスになります。将来性のある仮想通貨であれば「プラスサムゲーム」にもなるのです。
これがギャンブルと仮想通貨の大きな違いの1つと言えます。
- 参加者の収支合計がマイナス マイナスサムゲーム
- 参加者の収支合計がプラスマイナスゼロ ゼロサムゲーム
- 参加者の収支合計がプラス プラスサムゲーム
リターンを得られる時期
限られたごく一部の人が儲かることはあっても大多数が損をするのがギャンブルです。
しかし、結果がすぐに分かるためリターンもすぐに得られます。リターンが得られる結果なら、ですが。抽せん日待ちの宝くじでも長くて1~2ヶ月ほど待てば結果は分かります。
将来的な値上がりを期待して購入する仮想通貨ではそうはいきません。値上がりまで数ヶ月~数年を要することもあります。
これは株式投資も同じですが、将来的な成長に投資する場合は時間がかかります。
短期的にリターンを狙うなら、レバレッジをかけて売買するデイトレードなどもありますね。しかし、そうなるとリスクが高くなりギャンブルに近い性質のものとなります。
付加価値を生むかどうか
ギャンブルは参加者の賭け金(から主催者の取り分を引いたもの)を奪い合うゲームです。もともとあるものを再配分するだけなので、そこに付加価値は生まれません。
対して、仮想通貨は機能アップグレードや利用シーンの拡大など、将来的により多くの付加価値を生む可能性があります。
これがギャンブルと仮想通貨の明確な違いであり、仮想通貨が投資であることを決定づける要因と言えます。
注意するべきは、付加価値を生む可能性が少ない仮想通貨も多く存在することですね。
仮想通貨をギャンブルにしないための投資戦略
仮想通貨とギャンブルの違いを具体的に解説しましたが、仮想通貨も戦略を間違えばギャンブルと変わりません。
仮想通貨をギャンブルではなく「投資」にするために抑えるべきポイントを解説します。
そもそも仮想通貨自体が怪しいよ~
そんな不確かなものに投資することが危険なんじゃない?
って人は、下の記事を参考にしてみてね
時価総額上位の仮想通貨に投資する
いくら長期目線の投資でも仮想通貨が無価値になればすべては水の泡。
一時的な価格下落ではなく、根本的な欠陥やトラブルで価値を失う仮想通貨も存在します。全体的に見て、価値を上げ続けることができる仮想通貨は少数です。
失敗しないためには将来性の高い仮想通貨に投資しなければなりません。条件はいくつかありますが、もっとも分かりやすいのは時価総額上位の仮想通貨を選ぶことです。
現在多くの資金が流れている銘柄にはその理由と実績があります。
すでに高い時価総額の銘柄であっても、バブル時は数倍以上に価格が上がる可能性は十分にあります。仮想通貨の歴史は短いですが、数年に1度はバブル相場で市場全体が大きく上がります。
これが仮想通貨投資の魅力の1つです。勝率を最大限に高めるなら時価総額上位の仮想通貨をおすすめします。
長期目線で投資する
時間と引き換えに安定したリターンを狙えるのが長期投資のメリットです。短期で利益を求めるとどうしてもリスクが高くなります。
儲けを焦らず地道に仕込むことが投資で勝つための鉄則ですね。
長期的にお金が動かせない状態になるので、余剰資金で投資することは重要です。生活資金は投資にもギャンブルにも使うべきではありません。
投資する仮想通貨や取引所を分散する
将来性のある仮想通貨に投資することは重要ですが、銘柄や取引所を分散することも大切です。1つの銘柄や取引所に投資を集中させてしまうと不測の事態に対処できません。
「卵は一つのカゴに盛るな」という格言が示すとおり、資産を分散させることが長期投資とあわせて必要です。
数年間という長期で考えれば不測の事態は起こりえます。最悪の事態を想定してあらゆる分散を心がけるようにしましょう。
Q&A(よくある質問)
まとめ:仮想通貨(ビットコイン)はギャンブルではなく投資!
仮想通貨はギャンブルではなく投資です。パチンコや競馬、宝くじのように最初から負ける可能性が高いものではありません。
とはいえ、戦略を間違えばギャンブル的な運用になりかねない危うさがあります。
特に仮想通貨市場はここ数年で爆発的に成長しました。その過程で多くの億り人を生んだり悪質な詐欺プロジェクトが出てきたり、話題に事欠かない歴史の浅い業界です。
そういったインパクトのでかいニュースばかり聞いているとギャンブルのようなものと認識されるのも無理はないかと思います。それ以外のポジティブなニュースはエンタメ性も薄く、自ら情報収集しなければ一般人に届くことはありません。
成長市場である仮想通貨の波に乗ることができれば大きなリターンを得られます。しかし、そのためには短期間で大儲けをほのめかすような耳障りのよい話に惑わされないことが大切です。
当ブログでは、できるだけ手堅く仮想通貨を運用するための戦略を発信しています。よろしければ、他の記事も参考にしてみてください。
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